社営林の公益的機能の評価額試算 (単位:億円)
機能の種類 |
各機能の役割 |
年 間 評 価 額 | ||
全 国 |
林業公社 | |||
水源かん養機能 |
水量の平準化など |
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洪水緩和機能 |
洪水・渇水の防止 |
6兆4,686 |
45 |
水資源貯留機能 |
降水の貯留 |
8兆7,407 |
62 | |
水質浄化機能 |
水質の浄化 |
14兆6,361 |
71 | |
小 計 |
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29兆8,454 |
178 | |
表面浸食防止機能 |
地表の浸食防止 |
28兆2,565 |
141 | |
表層崩壊防止機能 |
土砂の崩壊防止 |
8兆4,421 |
40 | |
保健休養機能 |
保健休養の場の提供 |
2兆2,546 |
11 | |
二酸化炭素吸収機能 |
CO2吸収 |
1兆2,391 |
10 | |
化石燃料代替機能 |
化石燃料代替効果 |
2,261 |
0.5 | |
計 |
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70兆2,638 |
381.5 |
注1 全国評価額については、林野庁が森林の公益的機能の評価見直しについて、
日本学術会議に諮問し平成13年11月に答申を受けた結果を基に、林野庁が
評価した結果である。
なお、林業公社の評価額については、林野庁の評価方法をもとに試算した。
2 評価方法
代替法:ある環境サービスを、それと同程度のサービスを提供する財の価
格で代替して評価する方法。
【設立の背景】
我が国は、国土の7割を森林が占める世界でも有数の森林国です。
この森林は、木材や椎茸などの林産物を生産する場であるとともに、洪水の防止、土石の流出・崩壊の防止など国土の保全をはじめ水資源のかん養、気候の緩和、空気の浄化など様々な公益的機能を持っています。
本県の造林(森林づくり)事業は、戦後荒廃していた森林を復旧し、これらの機能の早期発揮を目的に、県政の重要な政策の一つとして昭和27年から取り組まれました。
しかし、昭和30年代に入り、我が国は経済成長とともに急速に都市化が進み、造林事業の主体をなす山村地域から若者を中心に人口の流出が始まり、労働力が減少するようになりました。加えて、造林地が奥地化し、土地所有者自らによる造林が困難になり、昭和36年を境に事業は減少しました。
このような傾向は、特に荒廃した森林を多く有する県北部の18市町村において顕著であり、県ではこの地域を対象に特別対策を講じる必要に迫られました。
林業が主要な産業をなすこの地域の森林づくりには、造林事業をとおして雇用の場の創出や地域経済の振興を図ることが最もふさわしい方法であると考えられ、県は、昭和42年に拡大造林推進対策本部を設置し、事業の急速な進展を図ることにしました。
しかし、事業進展へ向けての新たな資金の導入も必要となり、これまで拡大造林に大きな役割を果たしてきた県行造林が農林漁業金融公庫の融資が受けられないことから公庫資金を活用できる拡大造林の新たな受け皿として、県は関係市町村、関係森林組合等と協力して宮崎県造林公社を設立し、土地所有者の協力を得ながら分収方式による人工造林に取り組むことにしました。
◇ 昭和42年 9月 社団法人宮崎県造林公社として設立
(民法第34条に基づく公益法人)
◇ 昭和59年12月 社団法人宮崎県林業公社に名称変更
【公社の果たす役割】
昭和42年の設立以来、拡大造林を積極的に実施し、昭和60年には計画目標を上回る12,000ヘクタール余の社営林の造成を達成しました。
この間、地域林業の振興はもとより延べ320万人におよぶ雇用の創出・安定確保等、地域経済山村振興の見地からも大きく貢献してきました。
また、平成6年度から10年度迄の5年間には、分収方式による再造林及び分収育林事業への取組み、さらに、平成14年度以降、森林所有者等からの施業委託を受けて植栽未済地造林を実施しており、このような森林整備を通して次のような公益的機能の発揮に努めています。